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作:秋桜さん 2006年1月6日投稿分

里香と話していると時間はあっという間に過ぎてしまう。里香は僕のつまらない話を真剣に聞いてくれるようになったし、笑顔を見せてくれる回数も増えた。里香も話してくれることも増えた。たまに怒らせてしまったりして、みかんを投げられたりすることもある。そういうときの時間は長く感じるのに里香といられるだけでなんか幸せな感じになれる。里香と話していてつい抱きしめたくなるときがある。
前に一度抱きしめたことがある。里香は怒ると思ったけれど里香は驚いていたけどなにも言わず静か僕に抱きしめられていた。何日かすると、里香から抱きついてきた。僕は、
「里、里香」
と言い驚いたがやはり他にはなにも言わなかった。それは、僕がそうだったように、そういう気持ちのときもあるからだ。日にちが経過するにつれて抱く回数は増えていったが、キスの回数は砲台山の一度だけだ。そして今日は、里香と屋上に来ている。夜だ。風が冷たい。でも空には半分の月の明かりが僕らを照らしてくれている。
僕らは、寄り添い話している。
「寒いね」
とか
「星が綺麗だね」
とかしかたないことばかり言い合っていた。あまり外にいると里香の身体にも悪い。だから里香に
「もう、戻る?」
と聞くと
「もう少しだけいたい」
と言ってきたからもう少しいることにした。それから僕は里香をずっと見つめていた。里香はしばらくして僕に気付いた。里香は少し照れて僕を見た。里香が
「裕一、どうかしたの」 と言った瞬間僕は里香にキスをした。いきなりのことに里香は驚いたみたいだったけれど、すぐに落ち着いてキスを続けた。
里香とずいぶん長い時間キスをしたけれど、僕にとっては短いようにも思えた。この出来事以来、僕らはキスの回数も少しずつ増えて幸せ時間も増えた。でも里香にはすぐ近くに死があり、短くとも長い時間を生き続けている。僕はいつかやってくる里香の死。少しでも多くの幸せと笑顔の思い出を里香に。

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