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作:ぴーわんさん 「春の1日」

 のどかな陽射しのもと、僕と里香は手をつないで歩いていた。
前々から約束していた花見だった。もちろん赤福も買った。
僕はこの日を楽しみにしていた。川沿いの絶好の花見場所に行くと、すでにそこでは誰かが花見をしていた。まぁ桜がきれいだからしょうがないんだけど・・・。
 どうしようかと考えていると、横から声がした。
「ねぇ、裕一。まだなの。」
里香にも少し疲労の色が見える。
僕は仕方が無いので正直に言うことにした。
「いや・・・、ここなんだけどさ・・・。もう誰かが・・・」
言いながら気づいた。あれは司では。と。あの大きな体つきの奴はそうはいない。
近づいてみると、やはり司だった。しかもみゆきと山西までいる。よく考えてみると、司と花見に来たことだってあるのだから、司がここにいてもおかしくはない。
しかし僕はそんなことも忘れて大声を出した。
「どうしてお前らがここにいるんだよ。」
少し声が大きすぎた。他の花見客がなんだなんだとこっちを見ている。
 しかし司は動じることなく僕に話しかけてきた。
「裕一、おそかったね。」
おそかったね?僕は司と行く約束なんかしてないぞ?
「どうして今日来ることを・・・・・。」
横を見てみると、珍しく里香が慌てていた。
「ゆ、裕一・・・。じつはね・・・。」
ちょっと待て。里香がこんなにはっきりしなかったことなんてあったか。
あの里香だぞ。そこで僕は気づいた。里香がしゃべってしまったのではないかと。
「ごめん。しゃべっちゃった・・・の・・・。」
え?ごめん?あの里香が謝ったことなんてあったか?僕ははじめての経験にうろたえた。
しかも、ごめんとしか耳に入ってなく、その後は当然聞いていなかった。
「ねぇ、裕一。聞いて・・・る・・・?」
「えっ。なに。」
まったく聞こえなかった。と思っていたらいきなりみゆきが言った。
「もう、ホントに裕ちゃんってバカなんだから。」
「誰がバカだって。」
僕は聞き返す。すると山西の奴が横から言ってきた。
「戎崎ってホントにバカだよな。」
「お前なんかに言われたくない、このクソ山西。って言うかなんでここにいるんだよ。」
山西の言葉にいらいらしながらみゆきに聞く。
「だから、あたしが里香から聞いたの。」
はい?まず浮かんだのはコレだった。
話を聞いているうちにだんだん分かってきた。
 昨日みゆきが里香と話をしてて、みゆきが花見に誘って、里香が僕と行くことを話してしまった。それを聞いたみゆきは司を呼んだ。
ということらしい。
ちょっとまて、おかしいじゃないか。じゃあ何で山西がここにいるんだよ。
僕はそう言った。
「俺はたまたまここで二人を見かけただけだ。」
山西はそう言った。司達もうなずく。じゃあ邪魔だ、帰れ、と山西に言っていると、
里香が僕の手を引っ張って歩き出した。
「おい、里香。どこ行くんだよ。」
「・・・・・・。」
里香は答えない。しばらく歩いて、というか引っ張られていくと、だいぶ離れたとこについた。まぁ、ようするに司達の所から見えない場所だ。
と、里香がこっちを見た。目に少し涙が浮かんでいる。
「里香・・・。どうしたんだよ。」
「・・・ホントにごめん。」
おい、里香、そんな顔するなよ。僕が悪いみたいじゃないか。僕はそっと里香にキスをした。
「もういいよ。誰にだってミスはあるんだし。」
里香は驚いた顔でこっちを見ると
「ありがと・・・。」
とだけ言った。僕と里香は手をつないで司たちのところへ戻っていった。


 それから五人で花見をした。里香はずっと笑っていた。
まぁ、たまにはこんなのもいいかな・・・。そう思いながら里香の顔を見ていた。


 陽が傾きだし、僕と里香は司達と別れ、家へと帰っていった。
里香の顔は夕日に照らされて赤くなっている。なあ、里香。僕は言った。
「なに?」
里香はこっちを向いた。
「近いうちに今度は二人で来ような。」
僕はそう言った。里香はさらに顔を赤く染め、うなずいた。
 やがて里香の家に着いた。里香は、
「今日はありがと。ホントにごめん。今度も楽しみにしてるね。」
それだけを早口で言うと、僕にキスをした。里香の柔らかい唇が僕の感覚をおかしくしたのかもしれない。目の前がふらふらしていた。
「それじゃ。」
里香はそれだけ言うと、家の中に入っていった。
夕日が赤く輝いているなか、1人残された僕は次の花見のことを考えながら家へと帰っていった。
(END)

COMMENTS

まあまあですね。もうちょっとアクセントをいれてみては?

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